お知らせ

伊月庵 花守会 2026春「花で一句‼」結果発表

花守会投句企画にご参加いただきありがとうございます。
「花で一句‼」最優秀賞、優秀賞、入選の発表です。
選者/俳人 夏井いつき

◆最優秀賞(一句)

巨櫻月光権をほしいまま   髙田祥聖

選評: 月光の全てを集めて咲き溢れる櫻の大樹。詩語「月光権」と季語「巨櫻」が、絶妙な言葉の質量のバランスを保つ。下五は久女へのオマージュとも。(選者/夏井いつき)

◆優秀賞(五句)

雨になる桜と海になる桜   あなぐまはる

選評: 雨と一つになり、しとしとと散り初める桜。水に落ちた花片が、やがては辿り着く海。雨となる桜も海となる桜も、己の行く末を受け入れて、静か。(選者/夏井いつき)

◆優秀賞(五句)

花ひらくひかり花ちりゆくいたみ   にゃん

選評: 一つ一つの花開く力はかすかな光となって放たれる。花片が萼を離れるときの痛み。それを感知する眼差し。「ひかり」「いたみ」の脚韻の効果もまた。(選者/夏井いつき)

◆優秀賞(五句)

花の雨しとどつくづく日本人   のり茶づけ

選評: 桜に降りしきる雨を愛でるのは、日本人ゆえの心。「しとど」「つくづく」の調べに愛惜を覚えるのもまた日本人ゆえかと思う、花の雨のそぼ降る日。(選者/夏井いつき)

◆優秀賞(五句)

まち針のガラス透けたる花の影   打楽器

選評: ガラス製のまち針の頭に、春の光が小さく弾ける。花が咲き満ちる時、落花の降りしきる時、まち針を使う指先を喜ばすような「花の影」の美しさ。(選者/夏井いつき)

◆優秀賞(五句)

さくらさくら傘とわたしが弱すぎる   日永田陽光

選評: 強い風雨に健気に耐える桜たち。それに引きかえ、傘も私も情けないほど弱すぎる。「さくらさくら」と唱えて桜と私を励まし、裏返る傘を叱咤する。(選者/夏井いつき)

咲く花と散る花のあり伊予の雨
希凛咲女

鐘鳴るや道後へ花の吹きこぼれ
江口朔太郎

さくらさくら触れて雨よりあたたかき
樫の木

今年の桜に千年の記憶かな
穂積天玲

花の雨ト書が口に出てしまふ
若狹昭宏

花時の雨や釣銭七百円
松浦麗久

花ちらし夫呼ぶ声をきいてをり
はま魔女

公園のすべり台から花の雲
小物打楽器

風吹くや昏きこころの花明
天弓

濡れそぼつかつて女郎屋の桜かな
理酔蓮

一本漬けの胡瓜は勇気花の雨
ローゼン千津

花の雨まえにもお会いしましたよ
片野瑞木

はにかみし集合写真花ふぶき
すそのあや

老いていただく俳句と自由この桜
たかみたかみ

さくらさくら声に散らして山車の梶
イサク

曇天の桜誇らし天向かう
ベルフラワー

里山や「陽なたの丘」は花盛り
誉茂子

手のぬくみ移る表紙や花の雨
ふじみん

花満開上人坂に声あふる
柴羅欄花

閉館の子規の文机花の夕
マレット

(本日予讃線計画運休)やまじ風止まる列車に積もる花
竜退治の騎士

湯の町や花びらつきし傘閉ぢて
有村自壊

夜桜やからしれんこんが二切れ
増果クエン

酔客と桜の軒に膝濡らす
沼野大統領

香煙に著きせつなや花の塵
あいむ李景

満開の花を掲げて基地とする
川又夕

名刺裏の名句暗唱花の雨
東田一鮎

沐浴のやうに桜に浸かる土手
泗水ハオ

新しき風寿ぐや紅枝垂
しみずこころ

双腕をひろげ桜は散りやまず
ほしのあお

油とか鉄のにほひの花の雨
湊圭伍

トラックの車輪に花の雨散れり
土佐藩俳句百姓豊哲

花の雨傘に阿弥陀の糸の降る
南亭骨太

大きくなりましたよ桜も君も
きとうじん

旧交は墨の滲みや花に雨
マイマイ

湯気立てて道後の花の大笑ひ

被写体は句友の名刺飛花落花
西村青夏

初花や小さく開く椅子ひとつ
霧賀内蔵

花満ちて桜鼠の風の中
ピアニシモ

花の雨下にせかいがあっていい
若狹早

訪ぬれば桜見たかと母の問ふ
南全星びぼ

桜笑む詩歌がケアとなる朝
坂本梨帆

楽園の花松山の花に会ふ
ひでやん

静けさに満ちて逝きます花の雨
むめも

花咲けばうごめくようなわが羽音
門田なぎさ

直筆の名刺いただき桜さくら
栗田すずさん

満開のさくらの洞へ雨が降る
如月恋衣

いろいろあっても花の名はサクラ
大山香雪蘭

完全な花の成分に風と雨
高田ちぐさ

薄墨はくちびるの色花の雨
嶋俊美

センタク物ヨク乾ク日ヤ飛花落花
赤坂みずか

修行旅穢れをすすぐ花の雨
昇椿

花の雨けふはゆつくりしていい日
越智空子

側転で帰りたきこと花の宵
ぞんぬ

片方の鼓膜湿りて花の冷
めぐみの樹

東京に昔ばなしのごと桜
彼方ひらく

花の雨観光バスの窓高し
谷口歩音

城趾や花に溺れるやうに人
あみま

とぎれとぎれの桜流しとなりにけり
柊木快維

雨粒の花びらすんとふるわせる
さおきち

鮒釣れて光乱るる花筏
三浦海栗

花守のなみだ百年後をとかす
冬島 直

矢狭間から花へ狙いの定まらず
鳥羽南良

花に雨坂上る人下る人
洒落神戸

落ちてしまへば花はうちがはを識らない
野上翠葉

色街といはれし坂を花の塵
伊東リハじ

花影はウィスパーボイス子守歌
小川さゆみ

亡き人の住まふ国にも桜時
空木花風

養花天東雲さんの鼓の音
ゆすらご

一本桜咲いて咲いて千本桜
むげつ空

うちそとの花の浮遊や吾は菩薩
岬ぷるうと

花筏鴛鴦ならば許しましょう
東京堕天使

希望者に配らるる枝老桜
毬雨水佳

桜散るかくも優しき磁場の中
木村弩凡

シャンパンの泡立つグラス飛花落花
高橋寅次

消しゴムで消されるほどのさくらかな
八幡浜うさの

花明かり焼豚薄いキッチンカー
市川こけもも

車山巡る花の渦巻く城下町
紅紫あやめ

手のひらの花ひんやりと香りけり
村上もこ奈

天使らのけんけんぱっと花ひらく
天宮ほたて

休憩のうちあけばなし飛花落花
光猫ふう

しがらみを手放す夜の桜かな
露草うづら

青みがかる街に白き花や五時
丹羽凉女

幼きも老いも桜の唄を聴き
伊藤柚良

この風は母かもしれぬ初桜
加納ざくろ

ギャン泣きの二時間保育初桜
小笹いのり

黙祷の瞼は重し花の雨
きなこもち

嬰児の泣く声太し花の宴
坂野ひでこ

恍惚と蜜吸ふこきふ花盛り
じゃすみん

菩提寺や遠きに思う伊予の花
大久保加州

花冷のバスや牧師の名刺受く
庭野環石

エンジンを止めて桜の声を聴く
もりやま博士

花の雨こゝろの燃ゆる城下かな
オキザリス

桜月夜子は車庫入れの二度三度
青居 舞

花満ちて人うつくしく行合へる
宮下有海

傘傾げ花の下行く上野かな
富山の露玉

僕も君も迷子で花を見た坂
中田真綾

プロメテウスの人へ与へし花盛
真夏の雪だるま

これは母これはおとうと飛花落花
渋谷晶

法名に花の一文字桜守
まっちゃこ

満開の桜の翳が一等地
なしむらなし

寛解の友と落ち合ふ花の雨
くま鶉

飛花落花坊っちゃん列車の走る街
大切千年

ほんとうは桜になりたかった雨
馬場めばる

病牀の玻璃へこずゑの花日影
近江菫花

花筏ベンチの青と赤の杖
柚水無月

まん中のピンクあまそう朝ざくら
天宮さーもん

逞しき一歳のゆび花吹雪
百瀬はな

今年また定点観測花の土手
ルーミイ

すれ違ふとき笑む花の雨の坂
広瀬康

月の句の句碑に桜の散りにけり
近藤幽慶

愛でてなおさくらはまだ愛されたがる
里 山子

またひとつ花びら挟む離婚届
多数野麻仁男

薄墨の淵に桜の澱みたる
小山美珠

ちるまへのはなのなまなましくにほふ
北藤詩旦

百年を生きてまた花へとかへる
三河三可

ハムスター桜ひとひら賜りぬ
藍創千悠子

かみさまの川面を花の恣
七瀬ゆきこ

3人で花のうたげのいげつあん
瑞仁

さくらさくら白光の世を零れ落つ
細川鮪目

あいにくといふことはない花の雨
喜多輝女

さくら吹雪けよ無眼耳鼻舌身意
竹田むべ

ひとひらのそめゐよしのにみづのみち
巴里乃嬬

冷やかな媚薬にも似て夜の桜
三月兎

息をせぬ製鉄の炉や花の雨
菜々乃あや

長女から言えば従う花の雨
佐柳 里咲

花の雨傘に貼り付く花びらよ
すがのあき

満開の桜雨間に漏るる吐息
さやじゅん

泣けるほど生者たるやと花の下
飯村祐知子

窓下や術後十日目花盛り
房総たまちゃん

花として証人欄に名を記す
野山恵生

花万朶八百畳の御影堂
高尾一叶

おいでよおいで庵は花の雨の中
南行ひかる

花散るや古希の二人の家仕舞ひ
赤味噌代

乾杯や上人坂の花守に
荒川 月

命日の桜に触れて闊歩して
Rゆめ

空きのないコインロッカー飛花落下
堀アンナ

手刀を切りて姥桜の夜は
白沢ポピー

花冷の傘をたたみて偲ぶ会
石塚彩楓

戦火へと花の儚さとどけたし
万里の森

花片の水に舟腹なぞる線
三緒破小

納骨や桜はらほろはらほろり
伊藤恵美

夕桜イエスタデイは風のおと
高山佳風

伊賀の国の伊予町に咲く桜かな
幸田梓弓

桜に爆弾へたくそな進歩
もぐ

咲きしぶる桜あたしは詩に飢ゑて
はぐれ杤餅

地下道を抜けて見上げる花や花
風来りりぃ

ウッドデッキに猫の足跡雨を花
蜘蛛野澄香

窓ぎはへ呼吸器つれて夕桜
ペトロア

花の屑集めファーストシューズかな
沢胡桃

花の雨にょっと屹立するクレーン
木ぼこやしき

一片へ一粒ずつの花の雨
宥光

初桜これでおしまひ紙芝居
村木年子

のど飴を子より貰うてさくらどき
内藤羊皐

さくらさくらそれでも碧き水の国
やまさきゆみ

鬼に耳さしだしてゐる夕桜
平本魚水

重そうに花散る雨の道後かな
眠 睡花

せせらぎへ迫るや金の花月夜
二城ひかる

花の塵寄り添いて色濃くなりぬ
一井かおり

雨しとど花のこぼれぬままにあり
青井季節

雨雫纏う桜に集う友
平本牛車

樹木医の白き顎髭朝桜
岸来夢

夕桜雨の匂いのするデッキ
窪田ゆふ

人生の変はらぬメール飛花落花
爪太郎

死ぬために毎日生きて生きて花
山羊座の千賀子

各店舗あけつぴろげや江戸桜
大黒とむとむ

ふるさとを出でずふるさと花盛り
久留里61

ホスピスは性分でないと朝桜
松井龍髭

肩よせて雨降る花の桜木町
水蜜桃

人々の声のはざまを桜散る
花ばば

夜かぜ食み獣になりたがる桜
一斤染乃

薄雲の腹をくすぐる桜かな
でんでん琴女

初桜腰に宛てがう抱っこ紐
東 祐美

戦争と生活花の雨窓に
嶋村らぴ

どの道も櫻あふるる寂光土
葦屋蛙城

日めくりの土曜は青字庭桜
大槻税悦

花影や心臓にある泣きぼくろ
押見げばげば

胎内に鈴孕みたる桜かな
小野更紗

空へ降る松山城の桜かな
亀田かつおぶし

落花いま軍靴に踏み躙られて泥
津島野イリス

花房のメトロノームの眩暈かな
大地緑

たくさんのご投句、ありがとうございました!
入選した皆様、おめでとうございます♪

最優秀賞、優秀賞には、夏井&カンパニーより記念品をお送りします。
最優秀賞:/上人坂「うつわや砥々」の商品と伊月庵通信1冊 
優秀賞:花守会セット(伊月庵通信俳句手帖&伊月庵A4トートバック)と伊月庵通信1冊

▼花守会の当日の様子は、伊月庵予約サイトのブログで紹介しています。
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